京揚げ・飛龍頭の作り方

京揚げは油の中で豆腐を長く伸ばし、カリッと揚げたものです。
京揚げ用の豆腐を「京揚げの生地」の意味で”揚げ地”と呼びます。

揚げ地の作り方

大豆の品種は主にエンレイを使います。
これは豆腐に比べてやや荒くすりつぶし、88℃(豆腐は100℃)まで炊きます。
出てきた豆乳は青臭いですが、油で揚げたときによく伸びる豆腐になります。

水を加えて65℃まで温度を下げたところに、水で溶いたにがりを一気に混ぜます。そして10分ほど待ちます。

揚げ生地用の豆乳濃度は、Brix(ブリックス)5.5度前後と薄いので、水と豆腐とに分離します。
これをムラにならないようによくかき混ぜながら、型箱に盛っていきます。

重石を置き、20分ほど水を切ります。
石を下ろして30分ほど冷ましてから、お揚げ1枚の大きさに切り分けて、冷蔵庫で1日ほど寝かせます。
水分を抜いて、落ち着かせるためです。

また、賀茂とうふ 近喜の厚揚げは、京揚げ用の揚げ生地を厚く盛ったものを使っています。
中身はなめらかで、しかもしっかりとした食べごたえのある厚揚げです。


京揚げの作り方

京揚げは、水を絞ったもめん豆腐を油で揚げたものです。

上質の菜種白絞油を使ってからりと揚げておりますので、油抜きの必要がございません。
京揚げは賀茂とうふ 近喜の自慢の一品です。

京揚げは、低温の油で一度揚げたあと、高温の油でもう一度揚げます(二度揚げ)。 

  1. 最初に、生地を低温の油の中に入れます。生地は油の中に入るとだんだんふくれてきます。
    この時に、生地の両面に油の熱が均等に伝わるようにして、そして同時に、生地が油を吸いすぎないように、
    生地をこまめにひっくり返して大きく伸ばします。
      
  2. 次に、低温の油の中で大きく伸ばした生地を高温の油の中へ素早く移し変え、お揚げの両面を、表面はカリッと、中はしっとりしたお揚げに仕上げます。

京揚げを一枚ずつ手揚げてしています
↑京揚げを一枚ずつ手揚げしています

京揚げの生地の状態は、毎日違います。

その日の大豆の状態や水分の含み具合、にがりの量や豆乳とにがりの合い方などで状態が常に変わるからです。

その都度、油の温度を変えるなどの調整をしながら、私たちは、“本当に美味しいお揚げさんを知っていただきたい”という気持ちで、毎日一枚一枚丁寧にお揚げを揚げています。

お揚げを揚げるところはこちらをご覧ください。

飛龍頭(ひろうす)の作り方

飛龍頭は、ポルトガルのヒリューズというお菓子に形が似ていることに由来して名づけられたものだそうです。
にんじん・ごぼう・つくねいも・塩を混ぜて練り上げた生地の中に、ゆり根・きくらげ・ぎんなんを包んで揚げています。 

  1. 最初に飛龍頭の生地を、お揚げの生地またはにがりもめん豆腐の水を絞ったものをすりつぶし、細かくして作ります。
  2. すりつぶした生地に、にんじん・ごぼう・やまいもと塩を混ぜて練ります。
    やまいもは生地をふんわりとさせるため、塩は生地をなめらかにするために入れます。
      
  3. 練り上げた生地に、ゆり根・きくらげ・ぎんなんを包んで、丸い形に仕上げます。
    この時に空気が生地の中に入ると油の中に入れたときにはじけやすくなるので、
  4. 丸めながら生地を手で強く押さえて、空気を抜いていきます。
       
  5. 丸く仕上げて作った飛龍頭の生地に黒ごまを付けます。
    これを今度は油で揚げます。
       
  6. できあがった飛龍頭は、低温の油と高温の油で二度揚げします。
    最初は低温の油で大きく膨らませ、次に素早く高温の油に移し変えて表面をカリッとさせます。  

以上のように作り方を書かせていただきましたが、実際は、生地がやわらかかったり固かったりと毎日状態が違います。

そこで、水分の多いやわらかい生地のときには、逆に水分の少ない固い生地を混ぜて、生地の状態を安定させるように工夫しています。
ほくほくとしたゆり根の食感とその甘さ、コリコリとしたきくらげの食感を存分に楽しんでいただけますよう、中に入る具材は具たくさんにしています。

私たちは常に、お客様に喜んでいただける飛龍頭を作るため、日々努力を重ねております。

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